いびきと生活習慣病
いびきがなぜ生活習慣病、特に高血圧と関わってくるのでしょうか。
いびきが大きいということは、それだけ舌や軟口蓋の下がり方が大きいということです。そのため、肺に酸素を十分に取り込めなくなって血中の酸素濃度が低下してしまいます。血中の酸素濃度が低下すると、身体の組織からもっと酸素が欲しいと要求が出て心臓は血液を普段より多く送り出そうとします。そのため心拍数は増え血圧が上昇します。
さらに、血中酸素飽和度が低下すると血中の炭酸ガス濃度が上昇し、血管が収縮することでさらに血圧が高くなります。
いびきが大きい要因としては、肥満、特に内蔵脂肪の過多によるメタボリックシンドロームが挙げられます。もともと肥満の方は軟口蓋や舌根部が肥厚し気道を防ぎやすい傾向にあるため注意が必要です。悪化すると睡眠時無呼吸症候群が加わり、血管への負担は大きく増加し、いびきから生活習慣病の悪化へと悪循環を重ねていくことになります。
高血圧とは
人は誰でも1日のうちに大きく血圧が変化し、少し歩いた後やゆっくり休んだ後などで血圧は大きく異なります。一時的に血圧が高いだけではなく、繰り返し血圧を計測して常に高値を示す時に「高血圧」と診断されます。診断は、診察室で計測した際、収縮期(上)が140mmHg以上、拡張期(下)が90mmHgを目安として、年齢などの要素も加えて診断します。
いびきと高血圧の関係
いびきは、睡眠時に気道が狭まってしまい、そこに無理に空気を通そうとするため生じます。肺に送られる空気が少なくなり、血中の酸素飽和度は低下します。また、心拍数の上昇などが起こり、血圧が上昇する要因となります。
無理に呼吸を通すと脳が瞬間的に覚醒状態になり交感神経が亢進されることになります。交感神経には身体の活動を活発にする働きがあり、そのことによってさらに血圧が上昇します。睡眠中の交感神経の亢進は日中にまでその影響を残し、結果的に高血圧を引き起こします。
いびき治療なら当院へ
~降圧薬が効かない高血圧と睡眠時無呼吸症候群~
食事、運動、睡眠といった生活習慣を改善し、医師の処方による血圧降下剤を3種類以上服用していても血圧を正常範囲にコントロールできない状態を治療抵抗性高血圧と言います。
多くの場合、治療抵抗性高血圧には睡眠時無呼吸症候群が合併していると言われており、その割合は7~8割に上るという報告もあります。
治療抵抗性高血圧と睡眠時無呼吸症候群の合併がある場合の原因として、交感神経の亢進という要因が大きく関わっていると考えられています。
睡眠時無呼吸症候群は自覚症状が少ないため、ご自身では気づきにくい疾患です。高血圧症で通院していてもなかなか血圧が安定しない場合、ご家族の方にいびきや無呼吸の症状が出ていないか確認した上で、一度受診していただくことをお勧めします。
当院の睡眠時無呼吸症候群治療
当院では、なぜいびきが発生しているのか、その原因を突き止め、根本から治していくことを目指しています。簡易な検査によって睡眠時無呼吸の重症度を確認し、中等症以上の場合は、生活指導による体重管理やCPAPという特殊な装置やマウスピースを使った治療を行います。いびきでお悩みの方は当院までお気軽にご相談ください。