循環器内科について
循環器内科では、心臓や血管の病気を診療しています。薬物療法などの保存的療法に加えて、カテーテルやステントを用いた血管内手術や心臓ペースメーカーの装着手術なども行う診療科です。代表的な循環器疾患には、狭心症・心筋梗塞、弁膜症、不整脈、心不全などがあります。また、生活習慣病による動脈硬化も血管の障害であり、循環器内科で専門的な検査・治療を行っています。循環器疾患の症状では胸痛や動悸などが知られていますが、足のむくみや腫れ、だるさといった症状を起こすものも多くあります。進行させてしまうと命にかかわるような疾患を早期発見し、適切にコントロールするためにも、疑わしい症状がある場合には早めにご相談ください。
よくある疾患
不整脈
心臓は電気的な刺激によって、自動的かつ規則的に収縮と拡張を繰り返しています。不整脈は電気的な刺激に異常が起きて脈が乱れている状態です。動悸などで自覚できる場合もありますが、自覚症状なく生じていることもおります。不整脈には経過観察で問題のないものと、放置していると心不全や脳卒中を起こす可能性があり、継続した治療が必要なものがあります。また、心房細動の場合、カテーテルアブレーション治療によって根治が期待できるケースが増えてきています。不整脈は、できるだけ早く正確な診断を受け、適切な医療につなげることが重要です。
閉塞性動脈硬化症
動脈硬化などによって主に下肢動脈が硬くなり、狭窄や閉塞を起こして血流が悪化し、酸素や栄養が充分届かなくなってしまっている状態です。足の冷え、しびれ、歩行時の痛みと症状は少しずつ進行しますが、その後潰瘍や壊死と急激に悪化します。閉塞性動脈硬化症は喫煙している60歳以上の男性に多く、生活習慣病や肥満があると起こりやすい病気です。なお、血栓などによって急激に動脈が詰まってしまう下肢急性動脈閉塞症の場合、6時間以内に血流を再開させないと下肢切断などにつながる可能性があります。
狭心症・心筋梗塞 (虚血性心疾患)
動き続ける心臓へ酸素と栄養を届ける冠動脈という血管が狭窄や閉塞を起こす疾患です。生活習慣病などによる動脈硬化の進行が主な原因であり、喫煙も大きく関与します。狭心症は冠動脈が狭窄して生じます。心筋梗塞は冠動脈が閉塞して血流が途絶えてしまった状態であり、心筋が壊死してしまいますので一刻も早く適切な処置を受ける必要があります。カテーテル治療や冠動脈バイパス手術が必要な急性期の場合には、連携している高度医療機関をご紹介しています。慢性期には、適切な検査を行い、状態に合わせた薬物療法や生活習慣改善指導などで再発予防につなげています。
心不全
心臓の機能が低下している状態であり、様々な疾患によって生じます。徐々に機能が低下して慢性的に進行する心不全と、うっ血によって急激に生じる心不全に分けられます。心臓の機能低下を起こすと肺に水がたまって呼吸が苦しくなり、疲れやすさや動悸といった症状を起こします。また、うっ血がある場合、場所や程度によって現れる症状は様々であり、むくみや息苦しさ、吐き気、膨満感などを起こすこともあります。動作時の息切れは早期に現れやすい症状ですので、坂道や階段を上る際に息切れするようになった場合には、早めにご相談ください。
睡眠時無呼吸症候群
睡眠中に呼吸が止まる無呼吸を何度も繰り返す疾患です。主に空気の通り道である上気道がゆるんだ組織や脂肪によって狭くなって生じます。あえぐようないびき、夜間頻尿、起床時の疲労感や頭痛、日中の抵抗できないほど激しい眠気といった症状を起こします。深刻な合併症を起こす病気であり、強い眠気は集中力低下や重大な事故につながる原因になります。現在は、ご自宅での簡易検査が可能であり、経鼻的持続陽圧呼吸療法(CPAP)によって睡眠中の無呼吸を解消できるようになっています。疑わしい症状がある場合には、早めにご相談ください。